さしあげもの
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「くっふ、時に雲雀恭弥…」
「何…」
紅茶を入れ終わりそれを獄寺に渡した後、雲雀の視線は骸に向いた。
「紅茶を淹れるのにアールグレイなどと王道な……さては貴方、それしか知りませんね!!」
「「はぁ?」」
それってどっちかって言うと隼人(俺)何だけど…といった二人の心をいざ知らず、骸は自慢げに話し始めた。
「ふふん、イタリアの紳士とあろうものが紅茶の種類を一種類しか知らないわけも無く…」
「僕、純日本人なんだけど」
「俺イタリアだけど紅茶知らねぇ…」
しゅん、と落ち込む獄寺に対して骸は「隼人君は可愛いから何でもおっけーですvv」と歯の浮いた科白をいい、ばちんっとウィンクをした。
「くふ、では隼人君にはこの僕が手取り足取り…!!」
「僕が分かるからそんな事しなくてもいいよ」
ふん、と鼻で笑う雲雀は腕を組んだ。
「アールグレイの他には濃い味わいで甘みのあるアッサムなんかがあるんだよ、隼人」
「それだけではなくミルクティー向きでもあるんですよ、隼人君」
「チッ……でもね、隼人、ミルクティーにも使えるのはアッサムだけじゃなくてウバ、っていうのもあるんだよ」
「独特のメントールの香りですね。ですが隼人君にはディンブラやニルギリといったアイスティー向けなのがお勧めですよ」
「ブチッ…ヌワラエリヤみたいに繊細な味わいも、隼人には向いているかもよ?」
「プチッ……ラプサンスーチョンなどといった独特の個性があるのでもいいかもしれませんね」
次々と紅茶の種類と特性を述べていく骸と雲雀に、獄寺はきょとんとした反応しか見せられなかった。
アールグレイですらも最近覚えたばかりだと言うのにそんなに一気にいわれても、獄寺には分かるはずも無く。
「え、と…」
「君、僕が話してるんだから黙っててくれない」
「くふ、貴方こそ黙ればいいんじゃないですか雲雀恭弥…」
尚も続けようとする二人に、獄寺は俺、覚えようかな……と呆れを見せた獄寺であった……
end
→.後書