さしあげもの

□6800打感謝小説!!!
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「星が綺麗ですね」

「ん、そうだな」

「冬だからね、空気が澄んでるんだよ」

「そう、だな」


都会の光に紛れながら、ひっそりときらきら光る星を獄寺たちは見ていた。

ベランダに出て毛布に三人で包まりながらあれは何座だコレは何だと話している。

ふ、と獄寺が横目を向けば、オッドアイの瞳をした骸がいて。
その反対の横を向けば、真っ黒な瞳をした雲雀が居る。

あぁ、白鳥座に、ブラックホールみたいだと獄寺は一人呟いた。

するとその言葉をきちんと拾っていた骸と雲雀が反応を示す。


「肉眼では見えにくい、まさに幻術使いの僕にはぴったりですね?」

「ブラックホールか・・・僕は人をひきつけないけどね」


二人ともそのとおりだな、と思う。

だって見えない白鳥座。

ひきつける、でも潰してしまうブラックホール。


「じゃあ、俺は・・・?」


自分の瞳の色を思い出して獄寺はしゅん、と気分を落とした。

緑、翡翠、グリーンアイ。

何にでもとれる獄寺の瞳は、星に例えようが無かった。

しまった、と思うには遅すぎて骸と雲雀は少し、否多いに焦った。


「ほ、ほら、隼人君。上を見てください」

「隼人、ほら」


何だよとでも言いたそうに獄寺が上を向けば、ひときわ輝く緑色の星が見えた。
大方骸の幻術だろう、とすぐに分かったのだがその配慮に獄寺はむーっと頬を膨らます。


「いいよ、別に。俺は星なんかじゃないし、二人も星になんかさせないっつの・・・」


言い始めたのは誰だっけ?

そんな無粋な言葉を二人は発さずに、ぎゅっと獄寺を包み込むようにして星を眺め続けた・・・


end


→.お礼
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