さしあげもの
□5555打感謝小説!!
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そ、っと背中に一つのぬくもり。
雑誌を読んでてテレビをつけて、アイツの居ない時間のちょっとした贅沢タイム。
本当は寂しいのを紛らわしたくてテレビの雑音を聞きながらの読書だったんだ、けど……
雑誌の二冊目を読み終えるか終えないかの時、玄関の方から音が聞こえる。
テレビの音かとも思ったけど、消しても音がするからきっと雲雀だ。
靴を脱いで、アイツは上着を脱ぎながらリビングに来るに違いない。
よんでいた雑誌を置いて、雲雀の姿が見えるのを待っていたら……
「ひば…?」
背中に、ひとつのぬくもり。
「雲雀、ひばり?」
「ただいま隼人」
「お、かえりなさい…」
何が何だか分からない。
いきなり抱きつくのは今までもあったけど、何だか今日は嬉しそうだ。
表情は見えないけど、雲雀が笑ってるのは見なくても分かる。
なんていうんだろう、雰囲気?
「ひば、ひば……」
「何でもないんだよ、隼人」
俺の言いたいことは分かるみたいだ。
その雲雀が「何でもない」っていうんだから、本当に何でもないんだろう。
てことは、て事はだ。
「恭弥、おかえりなさいっ」
「うん、ただいま、隼人」
会えるだけで、触れ合えるだけで嬉しいって事っ
end
→.後書