さしあげもの

□3900打記念小説!!
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「………」


じとっ。
そんな効果音が聞こえても可笑しくないほど、獄寺は雲雀と骸の事を見た。
反対に二人はここまで睨みを利かせて見られる理由を分かってなかった。
雲雀については朝から災難だ。
起きた瞬間に獄寺の顔がドアップで見える。
それに驚き反射的に起き上がろうとする自分の身体を無理矢理抑えて背中を痛めたし、朝食をとるときも何をするにも必ず獄寺の視線があった。
骸が現れた瞬間その視線は二人へと向けられ、現状に至る。


(あの……隼人君何かあったんでしょうか…?)

(知らないよ、朝からこうだ)


こそっと話す二人には本当に理由が分からない。
ただ見られるだけならいいのに、睨み+呆れたような視線を向けられるから尚更不安だ。


「は、隼人…?どうしたの?」


勇気を持って雲雀が話しかければ、獄寺ははぁっっと大きな溜め息をわざと吐いてみせた。
そうした事により雲雀は少なからず、ショックを受ける。
続いて骸が「隼人くーん、訳を…」と言った所でまた、大きな溜め息が吐かれる。


(隼人君どうしたんですかぁああっ)

(隼人に溜め息吐かれた隼人に溜め息吐かれた隼人に……)

(雲雀恭弥、正気を…!!)


そんな二人をじっと、まだまだ獄寺は見つめる。
そしてすっと息を吸ってお前らの所為だからな、といきなり言い放った。


「お前らが、悪い」

「な、何がですか?」

「僕たち何かしたの…?」


睨んでいた視線を外して、獄寺は俯く。
そしてむすっとした表情で告げた。


「夢見が悪いんだ」

「「は?」」

「最近、悪夢見る」


いきなり夢見が悪い、と言ったかと思えばまるで雲雀と骸の所為のように言う。
二人からしてみれば言いがかりなのだ。
二人から、してみれば。


「僕たちの所為だって言うの?」

「当たり前だろ!!」

「な、何故ですか!?」

「だって、本に書いてあったんだ!!」


ばんっとどこから出したのか、獄寺の手には夢占いの本が。
二人からしてみればどうもうそ臭い感じの表紙。
薄いピンクに青の文字で絶対当たる!!Mr.○○の夢占い!!と大きく書かれていた。


「……夢占い…ですか…」

「おう」

「それに、何か書いてたんだね…?」

「おう」


まぁここ見てみろよ、とご丁寧に付箋までしてあるページを開く。
そして見せたページには、悪夢について☆と書かれていた。


(破りたい……)

(破りたいですねぇ…!!)


二人は開かれたページに書いてある文字をつらつらと黙読し始めめた。
すると内容には「潜在的な病気も表すけど、ストレスなんかも原因になってるんだYO!!」と書かれていた。


(……かみころ…)

(夢をみさせてあげましょう…)


と、そこまで考えて二人はん?と顔を上げた。
もしかして、もしかしなくとも。


「僕たちが原因でストレス抱えて夢見が悪い、って言うの?」

「お前ら以外何があんだよ」

「クフ、それでは僕は悪くありませんねっ」

「「はぁ?」」


今度は、獄寺と雲雀の声が重なった。
その重なる声に骸は雲雀にだけなんですか、とにっこり笑って言う。


「何ですかじゃないよ、明らかに原因は君でしょ」

「クフフフ、一体何処にそんな根拠があるのでしょうねぇ…」

「今君がここに居る時点で隼人のストレスになってるんだよ」

「おやおや、それを言うなら雲雀恭弥、貴方のほうが……」


獄寺は目の前で起こる「本当の」ストレス原因に、大きく溜め息を吐いたのを雲雀と骸は気付かなかった……。



end


(だぁかぁらぁ、それが原因何だッつの…!!)
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