さしあげもの
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「隼人、お茶にしようか」
蒸し暑い日が続く夏、並盛中は夏休みになり生徒は開放感へと浸る期間に入った。
そんな誰しもが自分ので望まない限り来ようとしない学校内に、二人の影がある。
応接室で優雅に過ごす二人とは違い部活などの声が聞こえ、窓を閉めようにも暑くなるのでそこは我慢をする。
「ん、今日は何?」
カップを差し出され注いでもらうのを心待ちにする獄寺は、早く早くと雲雀を急かした。
そんな獄寺に雲雀は微笑みかけ、今日は妥当にアールグレイかな、と言いながらカップに注いだ。
「ん、良い香り…」
「そうかな?」
「おう、雲雀の入れる紅茶は美味い!!」
珈琲は苦く入れるのになー、と冗談混じりに言うと、雲雀はうるさいよ、と獄寺の額を小突いた。
「さて、今日は何して過ごそうか」
「何でもいい……とにかくこの蒸し暑さをどうにかしろー…!!」
「そんなの僕に言わないでよ、エアコンあるんだし」
おかわり、と雲雀にカップを差し出す獄寺はソファにぐでんっと倒れこんだ。
雲雀は差し出されたカップを大人しく受け取り紅茶を入れようとした、その時。
「隼人君、そんな小鳥と一緒にお茶などせぶぅっ」
ばん、と応接室のドアが開き、制服は夏仕様☆今日のシャツはくまちゃんだぜな骸が叫んだ。
しかし勢いよく開けすぎたのかドアはバウンドし、叫ぶ骸に静止をかけるかの如く顔面にヒット。
「……何?」
「え、む、骸…?」
いきなりの自滅劇に言葉を飲む二人は、ドアを静かに見つめた。
するときぃ、と今度は静かにドアが開かれそこには鼻を赤くした骸が立っていた。
「……お見苦しいものをお見せいたしました…」
「本当にね、帰れ」
「大丈夫か?帰れよ」
鼻をさする骸に、二人は声をかけるも二言目には「帰れ」と言う。
しかし骸が大人しく帰るわけも無く、まぁまぁと笑いながら獄寺へと近づいた。
「隼人君、そんなにだらだらしてたらパイナポーになりますよ」
「なるわけないでしょ君と一緒にするな隼人が汚れる」
「つーか近寄んなあちぃんだよ」
二人から疎まれようともそこに居続けるのが骸と言うもので、まったくめげた様子を見せない。
それでも心なしか、手が震えているようにも見えるのだが。
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