さしあげもの

□2222打感謝小説!!
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「雲雀、今暇か?」


休日だというのに一人部屋に篭る応接室、雲雀は書類の整理をしていた。
外は暑いが、目的は来客持て成しという応接室、エアコン設備もばっちりだ。
換気の為に窓を開けると何とも心地いい風が吹く中、風と共に雲雀のお気に入りの赤ん坊……リボーンが入ってきた。


「やぁ赤ん坊、久しぶりだね」

「ちゃおっす雲雀、久しぶりだな」


問われた事には答えず雲雀が挨拶をすると、リボーンは普通に返した。


「お、今日は獄寺は一緒じゃねぇのか」

「生憎と爆発頭にとられてね、大人しく書類整理さ」

「そんなお前に朗報だ」


にやり、と口の端をあげるリボーンに、雲雀はふぅと息をつく。
朗報ねぇ…とあまり乗り気にならないにしろ、雲雀はリボーンの事は気に入っている。
話だけでも、と思いながら書類を置き、ここで初めてリボーンと目を合わせた。


「お、珍しく乗り気か?」

「まさか。どうせ隼人がらみなんでしょ…」

「流石だな雲雀。ツナとは大違いだぞ」

「あんな小物と一緒にしないで」


流石に慣れるでしょ、と呆れたように言いながら学ランを掴んで、椅子から立ち上がった。
窓を全部閉めて出かけるから、とそこに居た風紀委員に一言置いて応接室を出た。


「で、今回は何」

「今回は守護者の中でも寄りぬきの奴らと戦ってもらうぞ」


リボーンの言葉にちらり、と目線をやって、すぐに前を見据えた。
早速のおでましらしい。


「じゃあ、ゴールは獄寺の家だからな」


先に行ってるぞ、と言うリボーンの言葉に耳を貸しながら、雲雀は自分の前に立つ人物を睨んだ。


「で、先ずは君なの」

「うーん、こればっかりは俺も予想外なんですけどね」


にこりと嫌味な笑顔で言うのは、我らがドン・沢田綱吉だった。
流石の雲雀も一番に綱吉が出るとは思っていなかったらしく、しかし綱吉自身もこんなに早く出るとは思っていなかったらしい。


「で、今回は何?何が目的なわけ?」

「目的も何も、雲雀さんさえ潰せれば後が楽ですから」

「そう……」


さらりと凄いことを言ったような気がしないでもないが、そこはまぁ目をつぶっておくとして。
いつもであれば止めに入ってくる獄寺も今回は居ないので暴れることが出来そうだ、と雲雀も内心楽しくなる。


(これでやっと、咬み殺せる)


にやりと笑いながら愛用のトンファーを持ち出した。
しかし綱吉はグローブも何も取り出さずにあはは、ともう一度笑った。


「雲雀さん、今日はそういう戦いはしませんよ」

「は?」

「今日は……これで戦ってもらいます!!」



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