さしあげもの
□1859打小説
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「はい、隼人……あーん…」
「う、ぇ、えっ!?」
並盛中学応接室、そこには男二人と女一人が居座っていた。
一人は片手に持ったぷりんを食べさせようとしているクローム・髑髏と
もう一人は差し出されるスプーンにあたふたする獄寺隼人と
そして、目の前で繰り広げられる光景に身を震わせる雲雀恭弥だ。
「隼人、食べて…」
「え、っと、否食べてっていうか…!!」
獄寺は別段ぷりんが嫌いだというわけでもない。
差し出されるものに何か入っているのではと疑っているわけでもない。
正直なところ、食べたいのだ。ただ……
(雲雀、雲雀が見てる…!!)
そう、雲雀恭弥がどす黒いオーラを放っている所為で食べられないのだ。
しかしここで要らないといえば、きっとクロームは悲しい顔をするだろう。
つまり獄寺は成す術がないのだ。
「隼人……」
「……」
「あー…」
隼人、と呼ぶその声と無言の圧力がコラボレーションしていて、
正直獄寺は生きた心地がしていない。
だがもう本当、如何することもできないのだ。
(ど、どうしよう……!!)
ここは一気に食べるしかない!!
とぎゅうと目をつぶったその時。
雲雀恭弥が立ち上がった。
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