オリジナル小説
□白き雪たちに包まれて
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白き雪たちに包まれて
ふわり ふわりと
降り注ぐ雪たち
包むように大地を
銀世界へと作り変える
「まだ、ここにいたんだ」
冷たい風が吹く中、白い吐息を零しながら、幼さの残る少女千寿(せんじゅ)は雪の中に座り込んでいる。
私は今、この子の保護者を色々あってしている。とはいっても、殆んど放任主義だけど…。
「うん、ゆきんこたちがここに集まるからさ」
千寿は雪を掬い、宙に舞いあげて、嬉しそうに答える。
「千寿、こんな所にいたら、風邪をひいてしまうよ?家に入ろう」
千寿と私から少し遠い銀世界の中にポツンと建っている建物がある。
そこが私たちの家。
私は千寿に手を差し伸べたけど、千寿はただ笑うだけだった。