POEM3
□春
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桜がツボミをつけようとしていた、まだ寒い日。
僕は君と出逢った。
君はいつもニコニコ笑ってて、僕に優しかった。
僕が泣いていれば、頭をなでて
「大丈夫だよ」って言ってくれた。
僕がいけないことをすれば、怒って
「駄目だよ」って言ってくれた。
優しい君がいつのまにか好きになってた。
「好き?」って聞けば、いつでも
「大好きだよ」って笑ってくれた。
2人でたくさんのところに行って、手を繋いだ。
そして唇を重ねあって、照れながらも抱き合った。
幸せな日々。
毎日がとっても幸せで、僕も笑ってられるようになった。
だけどある日、君が泣いた。
強いと思っていた君が、僕の前で涙を流した。
本当は君もそんなに強いわけじゃなかったんだって、その時初めて気付いたんだ。
僕は君が泣いている時、何もしてあげることが出来なかった。
悔しくて僕も泣いた。
僕は君よりもずっと弱い。
君の流す涙が、あまりにも綺麗で僕には触れなかった。
季節も変わってまた春が来た。
君と出逢った日。
その日もまた、桜のツボミがまだ出始めで僕のようだって思った。