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□ジョナサン・ジョースターという男について
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ジョナサン・ジョースターという男について

― あるゴロツキが言うには ―
「俺は生まれてこの方、あんな紳士は見た事がねぇ!
あの人を見て、俺の人生はすっかり変っちまった。勿論、今までの生き方を否定するわけじゃあねぇが、それでもあの人と出会わなかったら俺は、きっとこんなに晴れやかな光の中で笑ってなんかいられなかったぜ!」

― ある町の姉弟が言うには ―
「俺の町の大人だって、あーんなにおっきな背中の人はいなかったぜ!あの兄ちゃんは本当にすげぇ!」
「後から弟が勇気を出してした行動があの方を救ったのだと聞いて、本当に驚きました。命の恩人でもありますが。あの人は、弟の心も一緒に救ってくださったんですよ」

― ある貿易商人の紳士が言うには ―
「たった一人の家族であるからと、少し甘やかした事は認めよう。妻の形見のようだった息子が、可愛かったのも否定が出来ない。しかし、それでも息子には私の心が伝わっていた。私は、それが何よりもうれしいのだよ。妻と一緒で、好奇心が旺盛な所もね」

― ある奇妙な男爵の男が言うには −
「若い獅子、師が言うようにまさしくそんな男であった。強い光を放つまなざしは、それでも優しさを忘れなかったのがまた印象的であった。命とは、失われるものではなく、繋ぎ、受け継がれていくものの事だ。わしの命も、また繋ぎ受け継がれるものであれば、家族のようでも友人のようでも、息子のようでもあったあの男に…どうか未来は幸福であってほしいと願うよ」

― ある東洋人の薬屋が言うには ―
「人相もそこそこね。でも、運だけは天性のものもっていたからね。あれはきっと、生まれながらにそういう星の元に生まれた、選ばれた男だろうね。耳に黒子のある、あの男と一緒よ」

― ある波紋戦士が言うには ―
「今時、珍しい男だ。人の目を真っすぐに見つめてくる青年で、もっと早く出会う事が出来ばれ、きっとツェペリと三人で波紋の修業のいい相手になれただろう」


― ある波紋戦士が言うには ―
「私には彼とディオの因縁は知らないが、それでもあれほどまでの激情を抱えるのだ。きっと彼にとってディオは、よほど特別な存在であったのだろう」


― ある波紋の老師が言うには ―
「一目見てわかった…彼には、とてつもない運命の奔流が待っていると…だから、あの時握手をしなかった。それを見てしまって、私は運命を変えずにいられるかと言われたら…そこまで人ならざる者にはなれん」

― ある医家の娘が言うには ―
「あの人との出会いも、別れも…私はいつでも泣いてばかりいましたね。最初は男の子に苛められていた時…あの時から、ずっとあの人は私の心を掴んで離してくれないんです。本当に、太陽のような顔で笑う人でした」


― ある養子の義兄弟が言うには ―
「いつだって俺の邪魔をする、本当に最低な男であった。俺の予想をしていないことばかりしやがる、嗚呼、腹立たしい。しかし、俺では決して出来ない生き方をする男であった。そこだけは、唯一認めてやれた。あの男は、自らの身体を燃やして光る星の様な男であった」




「これだけは確かに言える。僕は、愛されていた人生であった」
GB12のペーパーでした



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