スマブラ部屋
□七夕の夜。
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「遅かったじゃねぇか。」
「ホントデスよ〜。もう準備終わってしまいマシタヨ〜。」
誰かの声で目を開けると、大きく開けた湖が見えた。
それにワンテンポ遅れて、声のしたほうを振り向く。
そこにいたのはゲムヲとエイン。
「ゲムヲ!エイン!来てたんだ!」
ネスが嬉しそうに二人に駆け寄り、話し掛ける。
「ああ。あの御狐様に頼まれたモンでな。」
「アノ、竹と紙を準備してたんデス。」
そう言って、二人は後ろを指差す。そこには立派な竹と、短冊が置いてあった。
凄く大きな竹。これを運ぶのに結構苦労はしただろう。
エインとゲムヲだけで、よくこんなもの運べたな、と皆感心した。
「…皆サン、竹ばかり見てないで、空、見てくだサイヨ!」
エインに促され、皆、空を見上げる。
…天の川。だ。
空には満天の星。そして湖にはその光が移りこみ、白銀に輝いている。
「うわ…すげぇ…」
ロイは思わず感嘆の声を漏らす。
「な?来て正解、だっただろ?」
いつのまにかリンクがすぐ隣に居て。ロイの頭にぽん、と手を乗せた。
いつもだったら払いのけるはずだったが、今回だけはいいかな、と、何故だか思ってしまった。
「まあ…な。」
(星の魔力、ってことにしとこうか。)
ロイとリンクは、暫くそのまま湖の近くに座って、空と水、両方を見ていた。
手は、下で恋人つなぎになっていた。
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