書庫-壱-
□狡猾ナ制裁
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それは突然やってきた。
不穏な影をおとす政宗から逃げようと、幸村は後ずさる。
しかし、それはドアと反対方向で、背中にベッドがあたった。
やだ・・恐い
冷たい瞳のまま、政宗は呟く。
「なぁ、慶次とやったのかよ?」
・・・え。
何でそんなこと・・
何故そんなことを言われるのか分からなかった。
政宗と自分は愛し合っていると思っていたから。
政宗は自分を疑ってる?
なぜ?
慶次とは友人ってだけで・・
今更・・・
政宗の言い放った言葉の意味を、幸村は必死に探そうとしていた。
「幸村は俺と付き合ってるんじゃねーの?なのによ、何で慶次の話ばっかりなんだよ?」
「え・・。だって、慶次殿は友人だ、し・・」
少しばかりの沈黙。
それを破ったのは政宗。
「幸村ってさ、残酷だよな」
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