odai&prezent
□開幕
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「あー…あー…、マイクテスト、マイクテスト。本日は晴天なりー、本日は晴天…ブフゥ!??」
一体どこから飛んで来たのかどこからともなくま●゛いプロテインがマイクテストをしている水谷の頭を直撃した。
「いてて…ったく、多分阿部だろうな。投げた奴。」
実際投げたのは栄口である。とても良い笑顔で投げていたことは秘密にしておこう。
早く立ち上がらないと、第二陣の発射がセットされている。そうとも気付かない水谷は、着込んだ背広のズボンを叩きながらマイクを握り直した。
「はい!ということで、皆さんのおかげで、この青空キャンディが無事5000hitをたたき出すことが出来ました。
これも一重に陳腐な文才の文しか置いていないにも関わらず青空キャンディを訪れて下さる皆さんのおかげです。と管理人も思っています。」
ちらちらと暗闇へ目を向けながら笑顔で話す水谷。実はカンペを頼りに台詞を紡いでいる。
作成者は西広と巣山である。
「つーか何でクソレが舞台挨拶してんだよ。」
とは舞台袖で待機中の阿部。恨めしそうに水谷を睨みつつ、栄口にぼやいた。
「いや、本当は花井か河合さんが良いんじゃないかって言われてたらしいんだけど急に水谷にコンバートしたらしいよ。」
「………………管理人か。」
「…多分ね。」
そんな二人の気も知らずに開会式はまだまだ続く。
「予告していました通り、5000hit記念小説『おお振り童話劇場』の開演をここに宣言………」
します、と最後の三文字を言う前に足元の影がだんだん大きくなっていく。
上を向いた時には銀色の何かが視界一杯に広がっていた。
ゴン!!
と鈍い音と共に舞台に死体が一つ完成。
もちろん身元は西浦高校一年レフトの水谷文貴。
「オイ、どうすんだよ…司会ぶっ倒れちまって、」
ふっと後ろを振り返ると、誰も居ず阿部一人だった。
「ここからは出演陣全員で説明させていただきます♪」
マイクを握りしめ、微笑む栄口。
それに便乗した出演者がぞろぞろと片付けられる水谷と入れ代わりに入ってくる。