唄い鳥
□歌
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暖かな 歌声。
それは 神でも 敵わない。
優しい歌。
それは 私の 12の誕生日。
病室 での 出来事。
医師からの 一言により
私は 生きる気力を 失った。
「治ることの無い 病気です」
「後…1年が 限度でしょう」
それからは 目に映る 全てが 白と黒 の 世界だった。
そんな 私に
希望 を 与えて くれたのは
《妹》だった。
妹が 歌う唄。
とても 美しい 音色。
病室 に 響く 輪廻。
その一つ一つが
私を 色付けて いった。
−春−
そよ風 が 葉を運ぶ。
窓際 から 鳥たち の 囀りが 美しかった。
花の香り。
優しい 陽射し。
砂は 零れる……。
−夏−
空には 青。
雲が 形を変えて
色々な ものに 見えた。
蝉たちの 蝉時雨 が どこか寂しくも 美しかった。
雨の香り。
眩しい 太陽。
砂は 零れる……。
−秋−
星の煌めき の 中に 丸い月。
外を 照らす。
虫たち の 合唱が 煩くも 美しかった。
草の香り。
冷たいの夜風。
砂は 零れる……。
−冬−
白く 冷たい 雪。
白銀の世界。
哀しくも軟らかい白が美しかった。
砂は−−……。
美しい 歌声は
何時しか 私を 運ぶ箱舟。
私に 美しいもの を 教えてくれた 《妹》。
輝きは いろんなものに あるのだと。
ねぇ…?
私は その中には 入れたかな…?
そして
私の 最期の日 に 聞いた歌は……。
<説明>
僕には双子の妹がいました。
でも、その娘は身体が弱かったんですね。
本当はもっと下ですが…。
その娘の寿命の一年前。
その日から彼女は歌を歌えと、そう言ったんです。
だから僕は歌い続けたんです。
今も…歌を歌い続けましょう……。
彼女の為に…。
この詩 では 逆に設定 しています。