唄い鳥

□歌
1ページ/1ページ


暖かな 歌声。

それは 神でも 敵わない。





優しい歌。





それは 私の 12の誕生日。
病室 での 出来事。

医師からの 一言により
私は 生きる気力を 失った。



「治ることの無い 病気です」

「後…1年が 限度でしょう」



それからは 目に映る 全てが 白と黒 の 世界だった。

そんな 私に
希望 を 与えて くれたのは



《妹》だった。



妹が 歌う唄。

とても 美しい 音色。

病室 に 響く 輪廻。


その一つ一つが
私を 色付けて いった。








−春−


そよ風 が 葉を運ぶ。

窓際 から 鳥たち の 囀りが 美しかった。

花の香り。
優しい 陽射し。


砂は 零れる……。






−夏−


空には 青。

雲が 形を変えて
色々な ものに 見えた。

蝉たちの 蝉時雨 が どこか寂しくも 美しかった。

雨の香り。
眩しい 太陽。


砂は 零れる……。






−秋−


星の煌めき の 中に 丸い月。

外を 照らす。

虫たち の 合唱が 煩くも 美しかった。

草の香り。
冷たいの夜風。


砂は 零れる……。






−冬−


白く 冷たい 雪。

白銀の世界。

哀しくも軟らかい白が美しかった。






砂は−−……。










美しい 歌声は

何時しか 私を 運ぶ箱舟。



私に 美しいもの を 教えてくれた 《妹》。



輝きは いろんなものに あるのだと。


ねぇ…?

私は その中には 入れたかな…?






そして






私の 最期の日 に 聞いた歌は……。






















<説明>

僕には双子の妹がいました。
でも、その娘は身体が弱かったんですね。
本当はもっと下ですが…。
その娘の寿命の一年前。
その日から彼女は歌を歌えと、そう言ったんです。
だから僕は歌い続けたんです。
今も…歌を歌い続けましょう……。
彼女の為に…。


この詩 では 逆に設定 しています。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ