カレーの王子様。
□どきどきなご飯
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しばらくしてジョウジくんが本当にご飯に連れて行ってくれることになった。
田舎から出てきた私を心配して一人暮らしの家の様子を時々見に来てくれたりはあったけどジョウジくんと駅前で待ち合わせなんて初めてだ。
時間ギリギリに急いで駆けつけるとジョウジくんはもう約束の場所に立っていた。
長身の細身の体ですっと立つ姿に目が釘付けになる。
カジュアルなでもキチンとした感じのグレーのジャケット姿。
大人の男って感じだ。
日本人離れしたかっこいい顔とスタイルに周りの女の子がチラチラ視線を送っている。
なんだ、ジョウジくんかっこいいなぁ。
にへっと顔が緩む。
従兄弟だというだけでこのカッコイイお兄さんと遊べるなんて。
私って幸せモノ。
「ジョウジくん。」
ニヤついた顔のまま私はジョウジくんの腕に抱きついた。
「おぉ、来たか。」
優しげなジョウジくんの声。
腕に絡みつきながら見上げれば笑いかけてくれる。
「何食べさせてくれるの?」
「ったく、お前は・・・。」
呆れたように笑う。
そして、私が腕を絡めたまま歩き出す。
歩きながらその腕にこつんと頭を寄せる。
「ジョウジくんと二人でお外ご飯なんて初めてだよね?」
「そうだったかな?」
「いつも誰か一緒だったし、待ち合わせなんてしたことなかったじゃない。」
大概私の家族やジョウジくんの家族が一緒で、出かけるのもお互いの家からとかまた別の親戚の家からみんなで車に乗ってってパターン。
ジョウジくんの横で歩いてるとやっぱり女の子の羨ましそうな視線とぶつかる。
そうだよね、こんなカッコイイお兄さんだもん。
ジャケット姿の今日はまた輪をかけてカッコイイ。
もうモデル並!
開いたシャツの首筋なんかフェロモン全開って感じで色っぽいし。
なんだかいい匂いまでする。
にへっとまた頬が緩む。
「なにニヤニヤしてんだよ?
そんなにメシがうれしいのか?」
「うん。」
「しょうがねぇなぁ。」
笑うその顔があきらかに子ども扱いなのは今日は許してあげる。