カレーの王子様。

□クリスマス
1ページ/14ページ


「クリスマスイブ空いてる?」

ジョウジ君にそう言われて私の胸はずきゅんと大袈裟な音を立てた。

ダイニングテーブルの向かい、

朝食のコーヒーカップをゆらゆら手で弄びながら

ちらりと上目使いのジョウジ君・・・

ただでさえ端整でエキゾチックな男前が

普段のオトナっぽさとは真逆にそんな甘えたような仕草で

イブの予定を聞いてくるなんて・・・!?


たとえそれがイトコのお兄ちゃんだとしても

間違いなくずきゅんでしょ!!


「うん、うん。」

本当は大学の友達でシングル女子会する予定だったけど。

そんなの吹っ飛んじゃうよ。

「マジ!?」

とんっとコーヒーカップを置くとジョウジ君の手が

ぱっと私の手を包んだ。

コーヒーカップの温もりにとってもあったかいジョウジ君の手。

「イブの日、オレに付き合ってくれない?」

ちょっと心配そうな表情で私を伺うジョウジ君。

うわぁん、朝からずきゅんずきゅん連続攻撃!?

ナニ?なんなの?

この母性本能くすぐられまくりの仕草!?

可愛すぎでしょ!?

「・・・いいよ。」

ふにゃふにゃにとろけそうになりながらやっとの思いでそう答えると、

「助かった!!」

がばっとジョウジ君は椅子に座ったままの私に抱きついてきた。

「ふわぁぁぁ・・・!?」

「愛してるよ、まき!!」

ちゅっなんて音を立ててほっぺにキスされて。



私は失神寸前・・・


イブと言わずなんならこのまま・・・
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ