散文

□鈍色
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千歳は頭がおかしいんじゃないかと思う。
それは髪型とかそんなんじゃなくて(髪型もおかしいけど)言うこととかが一々最低で困る。

「ユウジくん」

千歳はへらっと笑って話しかけてきた。俺はいつものように嫌悪をたっぷり込めた視線を送るのだが、千歳は全く気にする様子もなく近付いて俺を見下ろすのだ。

「ユウジくんは女の子みたいばい」
「は?んなわけあるか」
「生理きちょる?」
「来るわけないやろが!死ね!このカスが!!」

死ねと言うと白石が「そんな言葉使うんやない」と怒るが、本気だから構わない。
いや、死ななくていいからどっか消えてほしい。

千歳はまたへらっと笑った。

「俺が飼っとった蛇が昨日死んだったい。ユウジくんにそっくりやけんユウジって名前やったばい。可愛い女の子やった」

そう言って俺の頭を撫でる千歳の頭がおかしくなかったら、おかしいのは俺の方なのか。


千歳は「ユウジ、ユウジ」と呟きながらしきりに俺の陰に蛇を探していた。(俺は蛇でも女でもないのに)




2008/03/26
 

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