平凡アワー

□平凡アワー その5
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時間があればいくらでも悩みたいけど高校生活そんな暇じゃない。

それに俺って何事も切羽詰まってからじゃないと動けないんだよな〜。

とりあえず今日一日を無事に過ごすことで精一杯だ。









「草太ー!朝だよ!新しい朝が来たよ!希望の朝だよー!」

俺の部屋をノックもせずに豪快に開けると源三はどこかで聞いたようなセリフを大声で言いだした。

低血圧な俺には正直厳しい。

「源三〜うるさい。朝なんだから静かにしてくれよ。」

「なーに言ってんの!今日が何の日だか忘れたの!?体育祭だよ!待ちに待った体育祭!そりゃあ朝から元気になるよ!」

源三ってこんなキャラだったっけ?どっちかっていうと「僕、運動は苦手だからみんなの足引っ張っちゃうかも…でもその分応援は誰にも負けないくらい頑張るから!」って感じだと思ってたんだけど。

「ほら、ご飯食べてグラウンド行こ!早く行ってストレッチでもしようよ!」

…予想は外れてた。体育祭大好きなんて…源三の意外な一面を見たな。


「早く!朝ご飯作って!」




か、可愛い!

俺のパジャマの裾を引っ張って上目遣いでそんなこと言われちゃあ…






「…わかった。支度するからちょっと待ってて。」

「わーい!」


のそのそと朝食の支度をする為に動き出す。

なんだかんだ言っても俺って源三に甘いんだよな〜。


 
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