平凡アワー
□平凡アワー その3
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寮の入口に着いた時あることに気づく。
あれ?何か落ちてる。
木の根元に雑草で隠れているがひょっとしてあれは…財布?
金に困ってるからそう見えるのだろうか。だいたい落ちていたとしても人のだし俺がどうこう出来る訳じゃないのに。
そう思うものの好奇心は抑えられない。
マ、マジか…。
近づいてまじまじと見るとやはりそれは財布だ。
シンプルなデザインだがどことなく高貴な雰囲気が漂っている。
高そうだしブランドものか?こういうの疎いから分かんないけどなんとなくそんな気がする。
ちなみに俺の財布は地元のデパートで千円で買った物で現在五年使い続けている。
拾っちゃおうかな〜、いくら入ってるんだろう?いっぱい入ってたら少し位盗ってもバレないかな…いやいや!それはまずいって。
俺は純粋に落とし物を拾うだけだ。邪な気持ちは一切無い!
そう思っても財布を拾うのはやはり緊張してしまい、まず周りを挙動不審に見渡すと素早く拾い上げる。
次に誰かに見られるのはヤバい気がしてすぐさま物陰に移動した。
ふ〜、誰にも見られてないよな。さて、中を拝見するとしますか。