平凡アワー
□平凡アワー その2
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そろそろとドアを開けると、お〜見られてる見られてる。全員が全員好奇心たっぶりな感じで俺を見てるよ。
まるで動物園のパンダ状態だ。
「え〜、普通じゃない?」
「可愛くねぇ〜。」
「いや意外とイケるんじゃね?」
さっきの訂正。パンダより状況が悪い。
可愛くないとかイケるとかそんなに露骨に声にしなくてもいいだろ!俺はお前ら全員ごめんだ!
「では泉君、自己紹介して下さい。」
先生は一切空気を読まず朗らかに言う。
まずこいつら静かにさせてほしいんだけど、今自己紹介しても聞こえないし…もういいや。どうでもいい。
「泉草太です。よかったら仲良くして下さい。よろしくお願いします。以上です。」
「え?それだけ?趣味とか特技とかは…」
俺の素っ気ない挨拶に先生は少し驚いたようだ。
さっきまでは何言おうか考えてたけどこの空気じゃなんだか…もうめんどくさくなってしまった。みんなも俺に興味無さそうだし。