平凡アワー

□平凡アワー その1
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しかし、次の言葉で編入の真実味が増す。

「お爺ちゃんがね、もっと草太に近くにいてほしいんだって。いいでしょ?」


う…マジ?そう言われると弱い。

実は藍葉学園は祖父が理事長をしている。いつも忙しそうで普段なかなか会えないから爺ちゃんの願いはなるべく叶えてあげたい…でもなぁ。

「お爺ちゃんの学園なら学費もかからないし、成績も優遇されるから悪い話じゃないわよ。」

身内だから優遇ってそんなうまくいくか?っていうか犯罪じゃないの?まぁそれがいいとしても何より引っかかるのは男子校ってことだ。

恥ずかしいけど今まで彼女がいたことないから高校では絶対つくろうと思ってたのに…男子校じゃ無理じゃん!









「悩んでるとこ悪いけどもう荷物送っちゃったからね。」

母さんは茶をすすりながらさらっと言う。

「え…?な、何言ってんの?またまたぁ冗談きついんだから。」






そう言いながらなぜか嫌な予感がした俺はまさかと思い急いで自室へ向かう。





 
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