過去拍手お礼小説

□草太、ノスタルジーな心模様。
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「ただいまー!」



長い長い二学期はいつの間にか終わり、無事冬休みを迎えた俺は、実家へ帰ってきた。

「あら、お帰り。早かったのね。」

そう言った母さんはこちらをちらっと見ただけで素っ気ない。
でも、そんな母さんだけど姿を見ると緊張が解れるというかほっとするみたいだ。

うん、楽しいことも辛いこともあったけど、やっぱり実家に帰ってくるとってか正確に言えばこの街に帰ってくると落ち着く。
最寄りの小さな駅だったり、やたら見通しの悪い曲がり角、誰だか分からない政治家のポスター、寂れた商店街。
どれもこれも、俺の小さな癒しだ。









「…ふぅ。」

久しぶりの自室に入り荷物を机の上に置くと時間は午後五時。思っていたより帰るのに時間がかかったようだ。

ふと落ち着いた時、部屋の中を見渡してみる。当たり前だが俺が出て行った時のまま放置してある訳なんだけど改めて見ると何だか懐かしい。

寮に有る最新の家具に見慣れちゃうと家のはすごい古く感じる。

テレビだって寮のは薄型で映像も綺麗だけど家のは分厚くてアナログ丸出しで、地デジに対応する予定も無い。まぁそれでこそ味が有る…のかな。





うっすらと埃が積もった部屋を見て、後で掃除しなきゃ、なんて思っていた。


 
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