過去拍手お礼小説

□時矢、愛しさは巡る。
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恋愛なんてただの遊び。好きだなんて所詮上っ面の言葉で相手を落とす為にしょうがなく使うもの、ずっとそう思っていた。

でも、草太を好きになってからその考えは間違っていたことにようやく気づいた。

今は慣れない恋愛に悪戦苦闘する毎日。
好きな人に好きになってもらう。言葉にすれば簡単なのに実現するのは思った以上に大変だ。







「う〜寒い、今日の寒さは異常だ〜。」

隣で目を細めてそう呟いたのは俺にとって初恋の相手である草太。

「確かに寒いね。雪でも降ってきそうだ。」


今日は日曜日、偶然見かけた草太を半ば強引に買い物という名目で街へと連れ出した。

本当は買いたい物なんて無いけれど、とにかく誰にも邪魔されず2人きりで過ごしたかったんだ。







夏祭りの日、強引に迫った俺を許してくれた草太をもっと好きになったし、大事にしようと決めた。

あの時の打ち上がっては鮮やかに散っていく花火が今も心に焼き付いている。多分夏が来る度思い出してしまうんじゃないだろうか。

それ程印象的だった。








「…先輩、時矢先輩!聞いてる?」


「あぁごめん、聞いてなかった。どうしたの?」

草太のことを考えて草太の言葉を聞き逃すなんて、何だか恥ずかしいな。


 
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