平凡アワー

□平凡アワー その16
1ページ/22ページ



親衛隊とのいざこざの後、蒼井はタマと一緒にいなくなった。授業に出ないのかと聞いてみたけどめんどくさいらしく、お別れ会までその辺で時間を潰しているそうだ。

俺も蒼井と一緒にいようか迷ったけど、何となく気まずいし授業をサボるのもまずい気がして、結局教室に戻った。

教室では委員長や源三が心配顔で待っていた。俺を見るなりどこにいたのか、何かあったのかと聞かれたけど腹痛で保健室にいたことにした。親衛隊のことを言うと更に心配させてしまいそうだし。









「…であるからして〜」

「はぁ」

授業中、窓の外を見て溜め息をつく。考えているのはもちろん蒼井のこと、そして自分のこと。

蒼井が好きだし、気持ちは全く揺らいでない。いろいろ考えて告白すると決めた。

…でも、さっきのことでまた不安になった。やっぱり伝えることで関係がぎくしゃくしてしまうんじゃないかって。

あ〜もう、どうしたらいいんだろ。

ネガティブな考えしか浮かばないうじうじとした自分が嫌だ。
何をすべきかなんて分かりきってる。蒼井の答えがどうであれ告白しないと絶対後悔する。

そんなの分かってる、分かってるけど…実際に行動に移すには勇気がいる。


考えている間にも時間は進む。蒼井のお別れ会まで残された時間は後少しだ。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ