平凡アワー
□平凡アワー その12
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冬休みはあっという間だった。元々期間は短かいけれどクリスマスの後は実家に帰省して、大晦日や正月をのんびりと過ごしている内に気がついたら終わっていた。
俺は自分の気持ちを整理する為に考えてみたり悩んでみたりしたが、まだ答えは出ていない。
「というわけなんだけどさ、源三はどう思う?」
冬休みが終わり数日経った頃、俺なりに考えたことを源三に相談していた。
「そうだな〜…試しに誰かと付き合ってみたらいいんじゃない?」
「えぇ!?」
頬杖をつきながら源三が発した言葉に俺は驚いた。
「草太は深刻に考えすぎだよ。結婚する訳じゃないんだからもっと楽に考えなきゃ。」
「…まぁそう言われてみればそうかもしれないけど。」
確かに俺は考えすぎかもしれない。でもみんなの気持ちを軽く考えることは出来ないし。
「それかあんまり迷うなら全員断っちゃうとか。」
「マ、マジで?」
「冗談でこんなこと言わないよ。とにかく、もっと楽に考えないと草太が疲れちゃうよ。」
前から思ってたけど源三は結構サバサバしてるところがある。でもその通りだとも思う。
「源三ありがとう。ちょっと楽になったかも。」
「どういたしまして。」
源三と俺は微笑みあう。
やっぱり持つべきものは友達だなって改めて思った。