平凡アワー
□平凡アワー その11
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「…クリスマスパーティ?」
「そうそう、自由参加なんだけど毎年すごい盛り上がるんだ!」
「へぇ〜。」
文化祭が終了しまたいつもの日々が戻ってきた。少しずつ冬へと向かう中勉強したり遊んだり、当たり前の日常を過ごしている。
そんなある日、源三の口から知らされたのは思わぬ行事だった。
「学園のホールに大きなツリー飾って〜ダンスしたり〜好きな人にプレゼントあげたりするんだよ。」
さすが金持ち学園、そんなことまでするのか…。
「恋人居ない人はプレゼント渡して告白するんだけど結構そこでカップルが出来るんだよ。」
「どうでもいいな〜。」
結局そういう下心満々なイベントな訳か。全然参加する気起きないんだけど。
「草太も参加しよーよ。どうせ暇でしょ?」
いやまぁ恋人は居ないし、帰省はまだしてないだろうし暇といえば暇なんだけどさ…恋人作ろうと目をギラギラさせた奴らの集まりって考えるとどうも行く気がしないんだよな。
「どうしようかな〜。」
「食べ物もあるよ〜。チキンとかケーキとかいっぱい!しかもタダで食べ放題だし。」
その言葉に思わず耳を傾けた。
…はい?何だ今の素晴らしい言葉…食べ放題だと!?それってつまりタダ飯だろ!
「…行きます。」
「え?」
「絶対行く!いや、行かせていただきます!」
タダ飯の為ならたとえ火の中水の中、どこまでも行くぞ!
あ〜楽しみだ!
まだ先のことなのにこれからパーティのことを思うとついにやけてしまいそうだ。