平凡アワー

□平凡アワー その10
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「あ〜いい天気だなぁ〜。」

秋らしい陽気に誘われるように教室のベランダに出た。そこからはよく紅葉が見えて、とても癒される。

あんまり普段景色とか気にしない方なんだけどなぜか紅葉は気になっちゃうんだよな。

いや〜もう今日はずっと紅葉眺めながらのんびりしてたいな。嫌なこともめんどくさいことも忘れてさ。

おっ、仲良さそうに二羽の鳩が並んで飛んでる、何て平和な光景だ…ぜひ俺も一緒に連れて行ってほしいな〜。









「ちょっと泉!居ないと思ったらこんなとこに居た。本当はしたくないけどメイクしてあげるからさっさと教室戻ってよね!」

「…は〜い。」

現実逃避終了。後ろを振り返れば可愛い顔を鬼のようにしたクラスメートが仁王立ちしていた。


何でメイクなんてしなきゃいけないのか?答えは簡単、今日が文化祭だからだ。

うちのクラスはコスプレ喫茶で、その中で俺は女装することになってしまって…だから化粧もしなくちゃいけない訳で…そりゃ現実逃避もしたくなるって。

平凡な俺が女装なんてしたら完全にお笑い担当だろ。ってか絶対恥ずかしくて耐えられない!

あ゛ー誰か俺を助けてくれー!!


 
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