平凡アワー

□平凡アワー その9
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「久しぶりー!元気だった?」

「ちょっと焼けたんじゃね?」

「あー今日からまた勉強かよ〜。かったり〜。」






今日は夏休み明け初日、久しぶりに集う教室の中では思い出話やら何やらでいつも以上にうるさい。





俺の夏休みはあの祭り以外特に思い出らしい思い出は無かった。

実家に帰って地元の友達と遊んだくらいか。割とすぐこっち戻ってきたしな。

因みに時矢先輩はあの時の弱さが嘘のように、すっかりいつも通りだ。

ただ、あれから笑顔の雰囲気が柔らかくなったというか…優しくなった気がする。ほんの少しだけど。



まぁとにかく一ヶ月もあった夏休みはあっという間に終わってしまった。

日焼けした奴、髪を染めた奴、太った奴に痩せた奴。細かい違いはあるけど大きく変わった奴はいない。


う〜ん、つまんないねぇ。

生活だって同じだ。夏休み明け初日でもげた箱の中には嫌がらせの手紙が入ってたり、中傷もされた。

一ヶ月あれば何かしら変わるかと思ってたけど、良くも悪くも変わらないようだ。

それは残念なようだけど実は安心していたりもする。


もちろん平和が一番だけど、今は嫌がらせとか全部ひっくるめて、学園で生活してるなって感じがするんだよ。

いや、おかしいのは分かってるけどね。




少し気温が低くなり過ごしやすくなった今日この頃、俺はそんな気持ちを抱えながら新学期を迎えていた。


 
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