平凡アワー
□平凡アワー その8
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学園生活を慌ただしく過ごして来た俺は体力的にも精神的にも疲れていたが、ついに待ちに待ったあれがやって来た。
そう、『あれ』とはもちろん夏休みのことだ!
学園で初めてのテストは委員長に勉強を教えてもらってどうにか乗り越えたし。
因みに順位はクラスでも学年でもちょうど真ん中という何とも平凡、というか奇妙な結果に終わった。
とにかくいろいろあったがもうどうでもいい!だって今日から夏休みだからー!
どこ遊びに行こうか?海?プール?キャンプ?
実家にも帰らなきゃ。
すげぇ楽しみだな!毎日遊びまくるぞー!
そんなことを思いつつはしゃいでいた僅か一週間後。
「…あー暇すぎ。」
俺は特にすることもなくお菓子を頬張りながらテレビを見ていた。
冷静に考えれば分かることだった。
俺…友達少ないじゃん!
毎日遊び回りたかったがそれ程友達が居ないことに今更気づいた。
すると当然やることが無い日が出てくる訳で、俺は暇を持て余していた。
それなら実家に帰ろうかと思って母さんに電話してみたが、「あんたのご飯作るのめんどくさいし、洗濯物増えるからお盆まで帰ってこなくていい」だとさ。
全く母親とは思えない発言だ。
めげずに交渉してみても母さんは帰ってくるなの一点張りで結局諦めるしかなかった。
そんなこんなで俺は思い描いたものとは程遠い夏休みを送っていた。