平凡アワー

□平凡アワー その5
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「…暑くない?」

朝、部屋の窓を開けて思わず一人で呟く。

雲一つ無い気持ちいい青空にギラギラと輝く太陽、正に夏!って感じだ。

基本的に夏は好きだしこんなすっきりと晴れ渡る空は見るだけでいい気分なんだけど今日ばかりは曇ってほしかった。

「はぁ〜」

溜息も出るその理由…今日は体育祭だからだ。










ほぼ毎日放課後に体育祭実行委員として雑用に励んだ。
グラウンドにラインを引いたり、道具を拭いたり、プログラムの作成とかとにかく忙しかった。来年は絶対やるもんか!と思ったね。


そんな中で楽しみなのは遅くまで働いた後に蒼井とタマに会いにいくこと。蒼井は相変わらず無愛想だけどタマの愛くるしい仕草を見ると癒される。


そういえば最近蒼井が学園に来る回数が増えた。俺のおかげかと思うと顔がにやけてくる。

源三と委員長に蒼井と友達になったと伝えると源三は驚いて「大丈夫なの?」なんて言うから蒼井はいい奴だぞ!と力説しておいた。源三にも仲良くなってほしいし。

委員長は「あんな奴より俺だけを見てくれ!」って必死な顔で言ってきた…意味不明だ。




何より意味不明なのは俺自身。
あれからずっと考えてたけど、あの時蒼井にされたキスはすっごい驚いたけど……嫌じゃなかったんだよなぁ。

やばい、俺この学園に染まってきちゃったかも…。


 
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