平凡アワー
□平凡アワー その4
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「これおいしいね〜。」
「味噌汁は得意なんだよ。ガキの頃から作ってたし。」
あぁ爽やかな朝。窓からは眩しい位の日光が差し込み源三が俺の料理をほめてくれている。
こんな平凡なことが幸せっていうんだろう。
最近学園にスーパーが有ることを知った。
それからというもの少しでも節約をしようと考え食材を買って自炊をしている。
結果、俺の貧乏生活は少しだが楽になった。
ちなみに源三は俺の料理を食べたいというのできっちり食費をもらって作っている。
庶民的な料理は食べたことがないらしくとてもおいしいそうだ。
「でも何で急に自炊しようと思ったの?」
源三は漬け物を摘みながら俺に問いかけた。
「そ、それは…ほら、俺料理好きだし。学食だと栄養偏りそうじゃん?」
「ふ〜ん。」
まさか節約の為にしょうがなくしているなんてこれからいくら仲良くなっても恥ずかしくて言えない気がする。
「そろそろ体育祭か〜。」
学園へ向かう途中、源三が呟いた言葉に驚いた。
「体育祭!?もう六月なのに?」
衣替えが終わってすっかり緑が木々を覆っている今日この頃。
体育祭をするには暑いだろ!普通五月か十月が無難じゃないか?