気付いているのか
気付いていないのか
お前は本当に
つかみ所のない
策士
嘘は、嫌いだ
だが俺は初めて嘘をつく
『他愛もない
そんな会話で
微笑い合えたら
それだけで良い』
…嘘は、嫌いだ…
いつ頃だろうか
この撞着を
恋と知ったのは
日常の
戯れが
陽だまりの
日常が
恋を知ったあの日から
柄にもなく
ただただ
嬉しい
柿を食うか
と尋ねたら
微笑みを絶やさぬお前が
珍しく歯を見せて笑うから
片恋でも構わない
そんな覚悟が
崩れてしまう
伝えたい
伝えられない
だから、
どうか。
初めて恋を知る事を。
嘘偽りを重ねる事を。
どうか
赦してくれないか━━…
…━━君により
思ひならひぬ
世の中の
人はこれをや
恋といふらむ━━…
(お前に出逢って
初めて知った。
人はこれを
恋と呼ぶのだろうか)