Masterof...
□時計
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「秒針も長針もこの中途半端な針も動いてないわよ。壊れてるんじゃなくて?」
暁の手にはちょっと大き目の懐中時計らしきものが握られていた
確かに3本の針はピクリとも動かない
「マーニはいつも変わったものをよこすからな・・・」
そう思い包みの中に入っていた手紙を出し 読み始める
「 拝啓 アリアス殿
久方ぶりの手紙となるの。
今回のマーニ・プレゼントはなんと!!
「進退マーニ時計」じゃ!!
・・・これはワシのネーミングであって、実際の名称は不明じゃが
先日また遺跡探検へ出かけた時見つけた王墓に供えられていたものじゃ。
ちょろまかした訳ではないぞ!世の歴史の発展のため拝借したまでじゃ
しかも今回は大物!!
試しに何度か使ってみたが、これは時間を自由に止めたり戻したり進めたりするらしい。
使い方は別の紙にまとめておいた
しかし何度か実験を重ねたのじゃが、時間の操作による何らかの反動が
起きる可能性が出てきておる
お前さんみたいな化け物にはどうという事ではないとは思うが・・・
恐らく4時間以上の時間操作は多少の危険がある事を記しておこう
幸運を祈っておるぞ アリアス
グッピー!! 」
「へぇ・・・・・これ本物?それにしてもお茶目な人だこと。」
「あ、おい・・・」
社嬢が怪訝な顔をして手紙を奪い取った
「ふむふむ・・・・これ、ちょっと使ってみようか?」
「つ、使うの・・・?」
暁が真剣な眼差しで社嬢を見つめている
「この紙のとーりやりゃぁ問題ないって!!」
「お前・・・それはいけないんじゃないか?」
この青年は枷と言っただろうか・・・すっかり忘れていたので声を発したのに少し驚いた。
「何?文句あんの?ん?」
「・・・・・・・」
嗚呼、一人の少女の威圧に負け 終には諦め黙ってしまったか青年よ