charm
□charm ロンドン篇 1
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「何・・・眩し・・・」
気づくと足はしっかり立っていた。
チカチカする目をあけると、見慣れない風景
キレイな女の人や体格のいい男性
色々な人が行き交うこの建物内はとても広いように思えた。
「ちょっと、真衣未ちゃん?少し前に出て・・・」
「あわわ、ごめんなさい!なんか見入っちゃって。」
「ここが本部だよ。今日はこんなもんだけど、昇級試験の日なんかは人がもっと多くなるんだ。」
正直今でも十分多い。この仕事をしてる人は少ないと言ってたけど、世界規模になるとこれ以上居ても「少ない」なのね。
「まず本部長に挨拶。荷物はここの人が運んでくれるから、まずロビーに預けよう。」
「あ、はい!えっと・・・・」
「ククッ、こっちだよ。迷子になんないでね?」
荷物を預けたあたし達は、エレベーターに乗って本部長の部屋を目指す。
「んっと・・・え、ここ45階まであるんですか!?」
「そうだよ。15階分くらいは宿舎だけどね。ここから派遣される人が多いから。」
「本部長さんはてっぺんですか・・・長いなぁ。」
「なんて言ってる間に着くもんだよ、ククッ」
チーン
ドアが開くと重そうな扉が見えた。
「さ、本部長に挨拶です。失礼のないようにね。ククッ」
・・・・・・・・・・・・・・・
黒島さんが細い腕で重いドアを軽々開ける。
「あの、失礼します!」
「あ!黒島くーん!やっぱ新人今日連れてきてくれたんだ?」
「えぇ、こちらも早く会ってみたくて仕方ないものでして・・・ククッ」
「そのさー、気味悪い笑い方やめたら?せっかくモテそうなのに。」
「いえいえ、やめてもやめなくても「モテる」に変わりはないかと・・・ククッ 本部長もお変わりなく御綺麗で。」
「あ、あの、黒島さん!こ、この人が本部長さん・・・?」
「そうだよ。吉川聖羅本部長。君とボクと一緒の日本人。」
「え、え、じゃあ、このキレイな女の人が、「歩く地響き」・・・?」
その人は本当にキレイな人だった。見た目こそ違うかもしれないが、内面はどこか大和撫子な雰囲気がする。
「はぁ!?くッ・・・あはははは!!はははッ、あー、おっかしぃー!!」
その大和撫子は机をバンバン叩き涙を浮かべて笑っている。なんで!?
「まさか!それは本部長のお父様、IMUの会長だよ。可憐な女性にそんな二つ名はないだろ・・・クククッ」
「あ、そ、そうなんですか・・・・失礼しました・・・」
最悪だ。何をテンパッたのか女の人に「歩く地響き」なんて・・・!!
「いいのいいの!父さんが有名なのは娘としても誇りに思えるわ。それにしても面白い子!まだ・・笑いが・・」
「本部長、こちらも一応ちゃんとした挨拶に来てるんですから・・・ククッ」
「あー、はいはい・・・ふふ、えー、私がこのロンドン本部長の「焔祓い 吉川聖羅」です。よろしくね、真衣未ちゃん♪」
「ほ、焔祓い・・・ですか?」
「あ、教えてなかった。属性にも極めてる度合いによって段階があるんだ。火だと、火・炎・焔ってね。」
「それじゃ、やっぱすごい人なんだ・・・本部長さん。」
「聖羅でいいよ!10歳くらいしか変わんないしょ?自分が偉いなんて、微塵も思っちゃいないから。」
「10歳て・・・25!?」
「あ、11歳だった笑 これからIMUの一員としてよろしくね。真衣未ちゃんにはとりあえず「見習い」の階級から始めてもらいます。」
「はい!頑張ります!」
「黒島くん、パートナーとの顔合わせ・・・いつがいいかな?」
「早いほうが・・・ククッ」
「うん、私もそう思ってたとこ。じゃあ、早速今呼んでくるわね?異色のコンビになりそうよ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
ギィーッ
「連れてきたわよ!なかなか可愛い子でしょぉ♪」
入ってきた。なんか、生意気なガキんちょって感じ。髪は首くらいまでで、寝癖なのかあちらこちらに跳ねている。
ハーフなのかわからないが、白に近い金髪だ。目鼻立ちもしっかりしてて、中々イケメンかも・・・
「あの、こ、こんにちわ。岸本真衣未です!」
「・・・・なんだ、ペチャパイか。」
「なッ・・・!?(日本語話せるんだ)」
「冗談だよ。雷火祓い レイン・レッドフォード、レインでいいよ。」
「よ、よろしくお願いします・・・って、雷火?」
「ククッ、この子が噂の・・・」
「レインはIMU発足以来異例の「雷属性」を持つ祓いなの。さぁ、これからの2人が楽しみ!」
「じゃぁ、今日からしばらく宿舎で「2人で」生活してもらうよ!ククッ」
「え、2人で!?」
「当たり前よ、パートナーなんだから!さぁ、部屋は1502だからね」
― To be continued・・・ ―
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