charm

□charm ロンドン篇 1
1ページ/1ページ

「何・・・眩し・・・」

気づくと足はしっかり立っていた。

チカチカする目をあけると、見慣れない風景

キレイな女の人や体格のいい男性

色々な人が行き交うこの建物内はとても広いように思えた。

「ちょっと、真衣未ちゃん?少し前に出て・・・」

「あわわ、ごめんなさい!なんか見入っちゃって。」

「ここが本部だよ。今日はこんなもんだけど、昇級試験の日なんかは人がもっと多くなるんだ。」

正直今でも十分多い。この仕事をしてる人は少ないと言ってたけど、世界規模になるとこれ以上居ても「少ない」なのね。

「まず本部長に挨拶。荷物はここの人が運んでくれるから、まずロビーに預けよう。」

「あ、はい!えっと・・・・」

「ククッ、こっちだよ。迷子になんないでね?」



荷物を預けたあたし達は、エレベーターに乗って本部長の部屋を目指す。

「んっと・・・え、ここ45階まであるんですか!?」

「そうだよ。15階分くらいは宿舎だけどね。ここから派遣される人が多いから。」

「本部長さんはてっぺんですか・・・長いなぁ。」

「なんて言ってる間に着くもんだよ、ククッ」

チーン

ドアが開くと重そうな扉が見えた。

「さ、本部長に挨拶です。失礼のないようにね。ククッ」


・・・・・・・・・・・・・・・


黒島さんが細い腕で重いドアを軽々開ける。

「あの、失礼します!」



「あ!黒島くーん!やっぱ新人今日連れてきてくれたんだ?」

「えぇ、こちらも早く会ってみたくて仕方ないものでして・・・ククッ」

「そのさー、気味悪い笑い方やめたら?せっかくモテそうなのに。」

「いえいえ、やめてもやめなくても「モテる」に変わりはないかと・・・ククッ 本部長もお変わりなく御綺麗で。」

「あ、あの、黒島さん!こ、この人が本部長さん・・・?」

「そうだよ。吉川聖羅本部長。君とボクと一緒の日本人。」

「え、え、じゃあ、このキレイな女の人が、「歩く地響き」・・・?」

その人は本当にキレイな人だった。見た目こそ違うかもしれないが、内面はどこか大和撫子な雰囲気がする。




「はぁ!?くッ・・・あはははは!!はははッ、あー、おっかしぃー!!」

その大和撫子は机をバンバン叩き涙を浮かべて笑っている。なんで!?

「まさか!それは本部長のお父様、IMUの会長だよ。可憐な女性にそんな二つ名はないだろ・・・クククッ」

「あ、そ、そうなんですか・・・・失礼しました・・・」

最悪だ。何をテンパッたのか女の人に「歩く地響き」なんて・・・!!

「いいのいいの!父さんが有名なのは娘としても誇りに思えるわ。それにしても面白い子!まだ・・笑いが・・」

「本部長、こちらも一応ちゃんとした挨拶に来てるんですから・・・ククッ」



「あー、はいはい・・・ふふ、えー、私がこのロンドン本部長の「焔祓い 吉川聖羅」です。よろしくね、真衣未ちゃん♪」

「ほ、焔祓い・・・ですか?」

「あ、教えてなかった。属性にも極めてる度合いによって段階があるんだ。火だと、火・炎・焔ってね。」

「それじゃ、やっぱすごい人なんだ・・・本部長さん。」

「聖羅でいいよ!10歳くらいしか変わんないしょ?自分が偉いなんて、微塵も思っちゃいないから。」

「10歳て・・・25!?」

「あ、11歳だった笑 これからIMUの一員としてよろしくね。真衣未ちゃんにはとりあえず「見習い」の階級から始めてもらいます。」

「はい!頑張ります!」

「黒島くん、パートナーとの顔合わせ・・・いつがいいかな?」

「早いほうが・・・ククッ」

「うん、私もそう思ってたとこ。じゃあ、早速今呼んでくるわね?異色のコンビになりそうよ・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・

ギィーッ


「連れてきたわよ!なかなか可愛い子でしょぉ♪」

入ってきた。なんか、生意気なガキんちょって感じ。髪は首くらいまでで、寝癖なのかあちらこちらに跳ねている。

ハーフなのかわからないが、白に近い金髪だ。目鼻立ちもしっかりしてて、中々イケメンかも・・・


「あの、こ、こんにちわ。岸本真衣未です!」

「・・・・なんだ、ペチャパイか。」

「なッ・・・!?(日本語話せるんだ)」

「冗談だよ。雷火祓い レイン・レッドフォード、レインでいいよ。」

「よ、よろしくお願いします・・・って、雷火?」

「ククッ、この子が噂の・・・」

「レインはIMU発足以来異例の「雷属性」を持つ祓いなの。さぁ、これからの2人が楽しみ!」

「じゃぁ、今日からしばらく宿舎で「2人で」生活してもらうよ!ククッ」

「え、2人で!?」

「当たり前よ、パートナーなんだから!さぁ、部屋は1502だからね」






― To be continued・・・  ―

・・・・・・・・・・・・・・・

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ