Masterof...

□目覚め
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「「   目が 覚めた   」」
















アリアスと暁は同時に身体を起こす






寝起き特有のぼーっとした感じはなく


自分の見た光景は

鮮明に身体が覚えている




しかし今眼下に広がるのは

薄茶色の小洒落た毛布



(夢・・・だったか)



アリアスが顔を上げるとこちらを見つめる暁が居た







「なんだ、起きていたのか。起こせばいいものを・・・」



わしゃわしゃと頭を描き布団から出ると

部屋に備え付けの洗面台へ向かう



「い、今、起こそうと思って・・・」


そうか、とアリアスは蛇口を捻り顔をゆすぐ







暁はというと、今見ていたものをグルグルと頭で

擦り切れる程何度も再生していた






夢だったのはわかっている


けど夢で見たアリアスの顔が忘れられない



『 お前は 弱い 』




まるで 暁の全てを見てきた様に

アリアスは何もかも見透かした口調で言い放つ


もしかして

アリアスはバルマスを知っていた・・・?









「アリアス!!」





キュッ と溢れる水を止めアリアスは暁の方を振り返る







水にぬれた皺のある顔

髪を後ろに掻きあげ整えるその顔は

どう見てもいつものアリアスであった



「なんだ?いきなり。」


「・・・・ううん、なんでもないわ。」






そうだ。夢ならなんでもありだ。

現実のアリアスと関係しているはずがない



そう思い 暁は思いを口に出すのをやめ


紅茶を淹れ始める




















 
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