Masterof...
□空
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夜が 明け始めた
日が落ちる頃に劣らぬ 美しい 暁の空
いつかも見た 夜明けの空
私の夜は 何時 明け始めるのだろうか
「アリアス?ボーッとしないで。今日は出かけるのでしょう?」
つい先程 小さな口でトーストを頬張り終えた暁がふいに声を掛けてきた
「相変わらず生意気なお嬢様だ、暁。大体、お前は食事を取る必要があるのか?」
「本当、レディに失礼ね。」
ここまではいつものやりとり
が、今日からはそろそろ「狩人」について本格的に調べ始めようという所であった
「ここ最近遊びすぎであったからな。ついペースに巻き込まれてしまった。」
「そうね、私も少しはしゃぎ過ぎたわ。」
マスターに仕える者としての自覚が足りなかったと、暁も気持ちを入れ替えたらしい
社嬢もここに慣れるまでの気遣いだったのか、最近は今までより顔を見せる回数が少なくなっている
「早くどうにかしなければな。私等はともかく、他の白が手にかかってしまうと危ない。」
支度を済ませたアリアスと暁は見えぬ社に一時の別れをつげ
紅い空へと飛び立った