Masterof...

□人形
1ページ/3ページ



今は眠りし姫 二度と目覚めぬ姫 


来ぬやも知れぬ目覚めの光を待ち 未だ手の中で眠りし姫は

暁の空に月が全てを見せしとき 


その者を主として迎え入れるであろう



master for princess of dawn






「・・・中々洒落た詩文だな 姫、とはこの人形のことか?」



確かに姫と呼ぶに相応しい人形ではある




「princess of dawn・・・暁姫か。・・・まぁいい。

 私は状態が良くなるまで住まうだけ。早く寝床を見つけなければ 」







その時だった




時刻は深夜4時を回った頃 その暁姫は煌々と光を放ち始めた








暁の空には  満 月 








その光は強くなったと思うと急に輝くのを止めた









「・・・私はアカツキ あなたは今日から私のマスター 」








その人形は喋った なんと美しい声だろう

世界のどの音を集めても こんなに美しく 気品のある音は出せないであろう




「マスター・・・?私がか 」


「あなたが私を呼び出した そうでしょう?だから今から・・・」






そこまで言うとアカツキは話を止めた

じっと私の顔を見ている




「なんだ?」



「バルマス・・・あなた バルマスよね?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ