Masterof...
□人形
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今は眠りし姫 二度と目覚めぬ姫
来ぬやも知れぬ目覚めの光を待ち 未だ手の中で眠りし姫は
暁の空に月が全てを見せしとき
その者を主として迎え入れるであろう
master for princess of dawn
「・・・中々洒落た詩文だな 姫、とはこの人形のことか?」
確かに姫と呼ぶに相応しい人形ではある
「princess of dawn・・・暁姫か。・・・まぁいい。
私は状態が良くなるまで住まうだけ。早く寝床を見つけなければ 」
その時だった
時刻は深夜4時を回った頃 その暁姫は煌々と光を放ち始めた
暁の空には 満 月
その光は強くなったと思うと急に輝くのを止めた
「・・・私はアカツキ あなたは今日から私のマスター 」
その人形は喋った なんと美しい声だろう
世界のどの音を集めても こんなに美しく 気品のある音は出せないであろう
「マスター・・・?私がか 」
「あなたが私を呼び出した そうでしょう?だから今から・・・」
そこまで言うとアカツキは話を止めた
じっと私の顔を見ている
「なんだ?」
「バルマス・・・あなた バルマスよね?」