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□natural
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「イオン様!外、行きましょう!!」
始まりは彼女の一言からでした。
『natural』
「………はい?」
「だ・か・ら!外へ行くんですっ!!こんなに天気がいいのに狭い部屋に閉じこもりっぱなしなんてカラダによくありませんよ!!」
そういうと彼女は頭を抱えてグルグルと回しています。
…確かにここ数日、というより何週間かは外の空気にあたっていませんね。
導師としてのデスクワークが多かったのも勿論ありますが僕自身が基本的に虚弱体質で体力もありませんし、なによりモースが許してくれませんから。
「アニス。心遣いは嬉しいのですが、やはり外へ出るのはーー。」
「今日はモース様はキムラスカへ行ってますから止める人はいませんし、体力の問題ならトクナガの上に2人で乗ってけばいいんです☆……モースの野郎、いつか潰してオラクル本部のロッカーに詰めて…「なんか言いましたか?」い、いえ!アニスちゃんはなーんにも言ってませんよ♪」
今なにか言っていたような気がしたんですが…。
「とにかく!!いきますよ!!!」
彼女の手が急かすように僕の手を引っ張る。
「…わかりました。行きましょう、アニス。」
どうやら僕は彼女の勢いには弱いみたいです。