06/15の日記

22:25
合図(SSS)
---------------
ムラユ
ほのぼの



「ゆーちゃん、好きだよ」


「……それ最近多くない?」

村田からのラブコールというか何というか“好き”とか“愛してる”と愛の言葉を聞く頻度を多く感じている。
毎日、それも目が合うたび……、くらい?

言われて嫌ってことじゃなくて、むしろ嬉しいんだけど、ただ何かあるのかと勘ぐってしまって仕方がない。

「そうかな?僕は少ないくらいに思ってるんだけど」

少ないって……。

「そうなんだ……」


「もしかして渋谷って、気持ちを言葉で伝える極少推奨派?」

「そんな妙な推薦してねーよ。おれは思ったことを素直に言うべき派……いや、今はそうじゃなくて何かあるのかなぁー……って思ったりしてるっつーか」

「……。別に何にも無いよ、伝えられる時に言ってるだけ」


何だろ?
この困ったような表情は。
何か引っかかるような……。

村田との会話を頭に巡らせ考えてみる。



……あ、そうか。


軽く咳払いをして調子を整えた。

「村田、おれも好き……だよ?」

顔をこっそり見ると、なにやら表情が暗い。

あれ?もしかして、違った?違ったの!?

「あの……」




「なんで最後、疑問になってんの?あと、かわいー笑顔で言って欲しかったー」

しばらく沈黙のあと、口を開き出てきたのは、苦情と要求だった。

でも、よかった。気づくのに時間掛かったけど合ってたんだ。

「次は努力する」

「うんうん。そうこなくっちゃね。ゆーちゃん、大好き!」

机に頬杖をしながら、期待たっぷりの笑顔でこちらを見つめている。


「えぇっ、もう!?」



→end


 

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ