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□38.9℃
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頭がガンガンする…
ただ寝てるだけなのに視界がクルクル回る…
吐き気がする…
節々もなんかギシギシしてる…
昨夜寝るときはなんともなかったのに、今朝起きたらこんな感じだった。
ちなみに熱は38.9℃
アレだ、俺は数年ぶりに風邪を引いたらしい。
特に不摂生をした覚えはない。
きっと誰かから移ったんだ。
誰か風邪引いてるやつ居たかな…、見つけたらシメてやる!
そんなことを思いながらも体が動かずただウンウン唸る事しか出来ない。
「元希ー、ちょっと買い物行って来るけど食べたい物ある?」
こんな時やはり頼りになるのは親だ。普段は思春期故に反発する事も多いが、こんな時は素直に甘えるに限る。
「あ゙ー、プリンとかゼリーとか軽いの…、あと飲みモン…」
さっきお粥を食べようとしたが喉を通らなかった。
でも何か腹に入れなければ薬も飲めない。甘くて喉ごしの良いものならなんとか食べれそうだ。
「すぐ帰って来るけどなんかあったら電話しなさいよ。全く、あんたでも風邪引くのねぇ」
サラッと捨て台詞を残して母親は去って行った。
何気に酷くないですかお母様、確かにここ数年体調を崩す事は無かったけど俺だって人間なんですけど…。
文句の一つでも言おうと頭を上げようとしたら、クラクラと目眩がしてそのままベッドに沈む。
あーダメだ、今日は悔しいが大人しくしていよう…。
母が出掛け玄関の扉が閉まると、部屋は静寂に包まれる。普段は聞こえない電車の走る音が聞こえてきた。
タタンタタン…
規則正しいその音に瞼が重くなっていくのを感じる。
起きていたって辛いだけだ。素直にその感覚に従い意識を手放していった。