*短編*
□保健室にて
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怪我をした。
紙で切った指先にほんの少し血が滲んで。
保健室へと向かった。
「どうしたんだよ、ソレ」
「ちょっと紙で・・先生、絆創膏下さい」
「そんくらいで絆創膏は勿体ない。舐めときゃ治るだろーよ」
先生はそう言うと
私の腕を掴み
私の怪我した指を口にくわえた。
![](http://id22.fm-p.jp/data/4/koiraburebo/pri/3.jpg)
「ちょっ、ちょ!!!」
私は紅くなりながら意味不明な言葉を叫ぶ。
「ほら、血止まった」
「セ、セクハラです!!!」
やっと離された指。血は止まっている。
だけど切った時以上の感覚がある。痛みではない衝撃。
「へぇ、・・こうして欲しかったのかと思ったんだけどなぁ・・?」
ニヤリと笑う先生。
「も・・・!!セクハラ教師!!」
私は保健室を飛び出した。熱を持ちじくじくと何かを訴える指を感じながら。
「フ、からかいがいのある奴・・・」
若月は飛び出していく後ろ姿を見ながら楽しそうに笑っていた。