歪んだゆめ
□ハンプティダンプティ
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アリスは猫に連れられている内に真実に気付いた
けれど、まだ旅の途中。心に大きな傷の残るアリスには早すぎ、重く受け止めきれず―――――
アリスは壊れてしまった
「命があるからいけないの。
命があるからこんなにつらく、悲しい―――
だから皆幸せにしてあげたわ。
女王様も
ビルも
帽子屋も
ねむりネズミも
ハリーも
絆創膏親方も
アンパン達も
白ウサギも――――
後は貴方だけよ、チェシャ猫…」
黒く変色した血がこびり付いたカッターを握りアリスが微笑んだ―――
ハンプティダンプティ
(ああ…僕らのアリス、君が望むなら)