たからもの

□。言うなればパール、そんな白。
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『言うなればパール、そんな白』



「望みなんて 何も」

安い嘘ついてた冬

換気扇の真下で

安い煙草 燃やした


戻れない場所の事なんか

忘れたふりでも本当は

街でいくつも擦れ違う

「何でもないこと」に飢えてた


君にばれてしまうのは

恥ずかしい そう思った


街の色が白くなるから

冬のイメージは白

そんな風に考えて

無感動に暮らしてた



何度目かの「さよなら」は

聞き終わる前に背を向けた

いつからか「さよなら」は

言われる前に言っていた


「独りが寂しい」とか

冬の街のせいにした

果てのない細い道

冷たいアスファルトのせい


街の色が白くなるから

冬のイメージは白

意地を張って生きていた


でも


君と過ごした冬は

七色がついてキラキラしてた

言うなればパール、

そんな白だった



「温もりを求める」とか

冬の街のせいにした

果てのない白い道

冷たいアスファルトのせい


街の色が白くなるから

冬のイメージは白

冷めた眼で暮らしてた


でも


君と過ごした冬は

「白」が 温もりに満ちてた

言うなればパール、

そんな白だった



七色がついてキラキラしてた

「白」が 温もりに満ちてた


言うなればパール、

そんな白だった

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