めいん。

□Let's 王様げーむ!!
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「青い空! 輝く太陽! そして青い海!!」

 いえ〜っ
 因幡の掛け声にその他大勢の歓声。

「今より、探偵事務所×警察組×マフィア×野羅で、灼熱の王様ゲーム大会を開催するぜえ―――っ!!!!!」



 何でこんな状況なんだ。

 時間は少し遡る……。



−−−−−−−−

「暑いですね因幡さん」
「暑いです先生」
「そうだな暑いな」

 季節はまだ夏でもないのに、最近は茹だる様な暑い日が続いていた。

「てかこの暑さは尋常じゃねえよ。異常気象とかいう奴だよな!!!」
「まだ六月にも入ってないのに……?」
「きっと圭くんとか圭くんとか圭くんとかの所為でこんなになっちゃったんだよね」
「全部こっちの所為かよ!! ……暑い〜……」
「圭くん、そのツッコミ暑苦しいよ」
「お前らこんな暑いのによく喋れんな」

 暑い中、こんな会話を繰り広げている三人。

「……あれ、誰か来ましたよ」
「えぇええ面倒いぃ……。圭、行ってこいよお……」
「俺だって因幡さんと気持ちは同じですよー……」
「洋」
「ほーら、誰が行かないからここまでお客さん来ちゃっただ…………って、荻?」
「荻さん」
「(早ク土へ還レバイイノニ)」
「優太くん、今小声で酷い事言ったよね?」

 突然の訪問客――荻も、流石に暑いからか、スーツの上着を手に持って来ていた。

「何の用だよ荻いぃぃ……。こちとら暑くて忙しいのによお……」
「……土産のアイスはいらないのか」
「よく来てくれたな荻! 遠慮すんな、そこ座れって!!」
「…………」

 荻が圭の隣に座り、コンビニの袋からアイスバーを四本取り出し、それを因幡達が嬉しそうに手に取っていく。

「で、今日は何の用なんらほ?」
「因幡さん、口にものを入れながら喋らないで下さいよ」
「……いや、特に今日は用は無いんだ。たまたま近くを通りかかってな」
「暑いのによく溶けませんでしたね」
「俺は人間だ。腹黒助手」

 しゃりしゃりしゃり。
 四人がアイスを頬張る音が響く中、

「あっ!!」

 因幡が突然声を上げた。

「どうしたんですか先生」
「俺、超いい事思いついちゃったよ!!」
「何だ洋」
「なになに? 聞きたいか荻ぃ?」
「……洋に喋る気が無いなら、別に無理して言う事無いんだぞ」
「ああ、すいません、頼むから喋らせて下さい」
「で、結局何なんですか?」
「耳の穴開いてよーく聞けよ? こんな暑い日は、海に行けばいいと思うんだが! そうだ、海に行こう! のノリで!!」

 きゃっきゃっとはしゃぐ因幡。……に、
「……いいですねそれ」
「僕も海行きたーい!」
「洋、水浴びがしたかったんだな?」
「何だと荻!! 俺を犬扱いすんじゃねーよ!!」

 因幡の内心では、全員から反対されたらどうしよう、とか色々悶々としていたのだが、意外にあっさり、全員から(約一名を除く)賛成の意見を得て、

「んじゃあ行くかあ!! あっ、荻!! 俺は別にお前が来たくないってんなら、無理には言わないからな! 別に寂しくなんかないしぃ!!」
「寂しいんですね因幡さん」
「先生可愛い」
「なっ……! お前ら、俺は一言も荻に来て欲しいなんて……!」
「誰もそんな事言ってませんよ?」
「うっ……、優太ぁ……!」
「仕方ない、行ってやるか」
「荻! 俺は別に……っ、」
「はいはい、因幡さん。素直になりましょうよ」


 ……こうして、海に行く事になったのだった。



−−−−−−−−

(ねえねえ荻さん)
(何だ? 助手)
(今日平日なのに仕事は?)
(……どーにか言ったら休みくらいくれるだろう)
(…………そんなんでいいの、警察……)
(警察はちゃんと機能してるぞ)
(…………。あ、そういえば若葉さんと梓ちゃんとは一緒に行かなくていいんですか?)
(若葉は梓を連れて実家に帰った)
(えっ、逃げられたんですか?)
(違う。ちょっとした用事だそうだ)
(へえ、そうですか……)

 そうらしいです。
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