黒子のバスケ

□虹色ティアドロップ 4
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時刻は午前8時半を過ぎたあたり。

案の定と言うべきか、いつもより家を出る時間が遅くなってしまった。

想像以上に面倒な課題が多くて、結局朝までかかってしまい不眠で頭が朦朧とするのを我慢して学校まで走る。

登校時間ギリギリに校門を通ると、みんなぞろぞろと校庭に移動していた。


『ヤバッ!』


玄関で先生にギロリと睨まれて気付く。

月曜は朝礼だったのを忘れてた。

担任にバレたら面倒なので急いで鞄を教室に置き、誰も居ない廊下を小走りで走り抜け校庭へ移動する。

まだ整列はしてないようだ。

ざっと校庭を見渡し平均より頭一つ背が高い水戸部の頭が見えたので、彼のもとへ駆け寄った。


「おはよー。裕也いっつもギリギリだな。」

『んー課題終わんなくて。』

「俺水戸部とやったからすっげー早く終わったぜ?」

『マジかー。今度俺も混ぜてよ!』

「いいよ!なッ水戸部!」


コガに言われた水戸部はうん、と返事はしないものの大きく頷いた。

雑談をしているとだんだんと人も集まってきて、コガたちと別れ各自クラス別に並ぶ。


「1−B5番!火神大我!!

キセキの世代を倒して日本一になる!」


朝礼が始まるのをボーっと待っていると、突然大声が上から聞こえた。

火神の叫びで校庭がざわざわしている。


『あ、今年もやってんだ。』

「お前去年やってなかった?」

『わ、忘れろそんなことッ!』


隣に並んでいたクラスメイトが小声で俺を茶化す。

俺なんて緊張しすぎて何を言ったか覚えてないくらいなのに、火神って緊張とかしなさそうだもんなぁ。

黒子は何て言うんだろうかと、順番にこちらに向かって叫んでいる一年の方を見上げた。


「コラー!!またかバスケ部!!」


次は黒子か!と待っていたら彼の声とは違う、教師の怒った声が校庭に響く。

それから黒子の目標を聞くことなく朝礼が始まり、その間監督と1年が朝礼に参加することはなかった。


20分程度の朝礼が終わり、みんな一斉に校舎へ戻る。

とぼとぼ石ころを蹴りながら歩いていると、いつのまにか順平やコガが俺の隣を歩いていた。


「今日から本格的に部活始まんね。」

「そういや監督、練習試合組むって張り切ってるらしいぜ。」

『マジ!?どことやるんだろ。』

「ま、今月中にはどこかしらとやりそうだよな。」


部活の話しをしながらぞろぞろと校舎に入る。

順平の話だと今年入る部員は5人らしい。

部員も増えてこれからもっと楽しくなるんだろうな、と内心わくわくしながら靴を履き替え、それぞれの教室に入った。
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