黒子のバスケ
□虹色ティアドロップ 3
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部活終了後。
部室で着替えながら大輝にメールをしていると、隣で着替えていた順平が俺に話しかけてきた。
「裕也今日これからゲーセン行くけどお前も来るか?」
『ごめん!これから用事あんだわ。』
「まぁ、なら仕方ねーわな。」
「…あ!」
『ん?どうしたコガ。』
コガは俺の後ろで声を上げた。
もしかしてゴキブリでも出たのかと彼の方に体を向ける。
「裕也…彼女出来た?」
「!?マジかよ!」
『はぁ?んなわけねーじゃん、友達と約束してんの。
順平も何驚いてんだよ。』
「なんだー。」
デーンデーンデーン、デーデデーン…
聞きなれた着信音が部室内に響き渡る。
『じゃあ待ってるみたいだから、またな!』
「バイバーイ!」
コガに笑顔で見送られながら部室を出てメールを見る。
ーおせーから部屋の前で待ってるー
本当にあっちの部活は無かったのか凄く疑わしかったが、どうせあいつは嘘を突き通すんだろうなと、彼の待つ家へ急いだ。
***
アパートの階段を上がり、自分の階の通路を歩くと俺の部屋の前のドアに寄っかかりながら大輝が携帯を弄っていた。
彼は俺に気づいたようで、さっきまで見ていた携帯をポケットに仕舞い、だるそうに立ち上がり俺を睨みつける。
「おせーよ。」
『仕方ないだろ。これでも終わって直ぐ来たんだ。』
「まだ時間あっしバスケしようぜ。」
『待って着替えてから。』
「おう。」
ガチャガチャと部屋の鍵を開けて先に中に入る。
『あがって待ってろよ。』
「んなこと言われなくてもそうする。」
『…少しは遠慮しろよな。』
「あぁ?」
『あーなんでもない、なんでもなーい。』
洗濯籠に脱いだ服を入れ、適当にその場にあったTシャツとジャージを穿く。
携帯と財布をポケットに入れて大輝が居るであろう玄関へ行くと、なぜか彼が居ない。
なら部屋かと後ろを振り返ると、丁度大輝が変な顔をしながら部屋から出てきた。
『人の部屋で何してんだよ。』
「お前…なんでベッドの下ジャンプしかねーんだよ。
エロ本はどうしたエロ本は!」
『んなもんパソコンに決まってんだろうが。』
「お前…進んでんな。」
何故か関心している大輝に、ここぞとばかりに俺はふふんと胸を張る。
『大輝がアナログなだけだろ?』
「はッ言ってろ。」
部屋を出て近くの公園にあるコートへ向かう。
一昨日火神と1on1をしたあの場所だ。