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□Envy/PSYCHO-PASS
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「狡噛さんちょっといいですか?」

「ん?なんだ。」

『……。』


朱ちゃんが慎也を連れて事務所から出て行った。

ここで出来ない話しってなんだよ、と俺は椅子に座りながら部屋を出ていく彼らをチラ見する。


最近、慎也は朱ちゃんと一緒に居る事が増えている、と思う。

彼は縢と違って可愛めな女の子が来ても、気移りはしないと信じてたのに。

無愛想でカタブツというレッテルはもう剥がしたがいいのかもしれない。

なんだよ、可愛い顔を引き攣らせてヒステリックに叫ばれながら脊髄を打たれてズキューン!ときたのか?

俺はそこまでアブノーマルな事はしないから、彼はそういうのに飢えていたのかもしれない。

いや、もし飢えてたとしたらいろいろとマズいだろ。


「今日のヒロ面白れーな。

コロコロ表情が変わって見てて飽きねーよ。」

『ムービー撮るのやめてくれるかな。

じゃないとお前の飾ってるフィギュアに落書きしてやる。』

「描くならセンス良く描けよ?」

『いや、そこは拒否しろよ!!』

「えー?」


減らず口な彼はこの際無視して、デスク周りに並べられたフィギュアたちを指で押して次々と倒していく。

それより朱ちゃんと慎也遅いな…。

ちょっとって言ってたのに、もう何分経ってんだよ。


「何々、朱ちゃんにコウを取られるーってか?」

『違う、それは断じて違う!

慎也は浮気なんてしないんだい!』


ープワーンワーンワーン!

エリアストレス上昇警報ー


アナウンスを聞くと、面倒なことにそいつが居るのは廃棄区画らしい。

ああいうとこってラリってる奴が多くて嫌なんだよな、あと臭いし。

そんなことを考えてる隣で、今日は非番の縢が楽しそうに俺に話しかけてきた。


「今日って朱ちゃんとコウとじゃねぇ?

プフッ修羅場見たかったなー。」

『はぁ?馬鹿にすんな俺と慎也は思いあってるんですぅー。』

「おい、くっちゃべってる場合じゃねーぞ、急げ。」

『へーい。』


朱ちゃんはもう護送車の手配をしに行ったのか、慎也だけが事務所に戻ってきた。

彼は俺に声をかけそのまま部屋を出て行こうとしたので、俺は急いで後を追う。
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