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□Earnest/PSYCHO-PASS
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***


翌日


俺は今絶望している。

何故かって?ケツが痛すぎて椅子に座るのが苦痛だからだ。


「おい何をやっている。この資料を唐之杜に渡してきてくれ。」

『了解でーす。』


腰をさすりながら椅子から立ち上がり、ギノからファイルとメモリを受け取った。

彼は何も言わないけど、さっきからプライベートで起きたことを仕事にまで持ち込むなといわんばかりの視線を俺に向けている。

分かってる…分かってるけど、止めらんないもんは仕方ないじゃん??

パソコンを休止状態にして早々に部屋を出る。

途中コーヒーを淹れていたら少し時間がかかってしまったけど、それ程急いじゃいないし大丈夫だろうと思いながら分析室のドアを開けた。


『おーおー仕事してますねぇ。』

「あんたも今仕事中でしょ?」


俺に背を向けたまま、彼女は忙しそうに数個のモニターを交互に見ていた。

片手に持っていた資料をデスクに置き、もう片方の手に持っていたコーヒーを一口飲む。


『ちょっと調べてもらいたいことがあって。』


メモリを志恩に手渡し、空いた手で無意識に腰をさすっていると彼女がハイヒールで俺の足をゲシゲシと蹴ってきた。


「見せつけちゃって。昨日もお楽しみだったのかしら?」

『な、なんでだよっ。』

「ま、言いたくないならいいけど。」

『なぁ…。

一晩に4回でヘトヘトって俺体力なさすぎ?』


小声でぼそっとそう言うと、彼女は何もしてないのにいきなり噎せた。

そして少し咳き込んだかと思ったら、今度は笑い出したではないか。


「……毎日のように4回出来てるんなら体力あるんじゃない?」

『笑いながら言われても説得力ねぇよ。』

「ほら、まだ仕事残ってるんなら戻りなさい。」

『うん。』

「そうそう慎也くん今朱ちゃんとトレーニングルームにいるらしいわよ。

朱ちゃんも大変よねー。」

『へぇ…。仕事終わったら覗いてみようかな。

じゃ、仕事頑張って。』

「はいはい。」 



***



調査もひと段落し、今日はもう上がっていいとギノに言われて今俺はトレーニングルームにいる。

まぁさすがにもう居ないかなと思っていたんだが、彼はまだ残ってスパーリングをしていた。

コウの少し離れたところに朱ちゃんが居たので、まずは彼女に声をかける。


『朱ちゃんまだお守りしてるの?』

「あ、森崎さん!

それが…ずっとあの調子なんです。」


あの調子とは、ずっとスパーリングをしてるってことか。

どうせレベルは最高なんだろうな…とアンドロイドに殴りかかっているコウを二人で見つめる。

でも俺は彼と少し話がしたくて来たので、手っ取り早く彼の名前を叫んだ。


『コー!!ストーップ!』

「…?」


俺の声にコウは気づいたのか、一瞬こっちに振り向いたけどまだ動きを止めようとはしない。

あれ…今気づいたんだけどコウ何で半裸なの?

というか朱ちゃんコウの裸みて何とも思わないわけ!?


『あの…朱ちゃんって女の子が好きなの?』

「へ?…な、何言ってるんですか!違いますよ!!」

『だ、だよねー。』


コウの裸体にムラムラこない女性なんて居たのか。

男でも惚れる体なのに…朱ちゃんさては枯れ専じゃないだろうな。


「おいヒロ、相手してくんねぇか。

これじゃ弱すぎる。」

『いいよ。』

「森崎さん、仕事終わりで疲れてるんじゃ…。」

『デスクワークだけじゃ疲れないよ。

それより昨夜の疲れが…。』

「え?」

『いや、何でもないッ!』


上着を脱いで彼の元へ駆け寄ると、少し汗ばんでしっとりした体が俺の目を釘付けにする。

無駄にいい体しやがって…セックスしてる時に腹筋が浮くとことかすっげぇエロいんだよな…。


「おい、運動するとは言ったがその運動をするにはまだ明るすぎやしないか?」

『は?何言って…。』


コウは呆れながらもじっと俺の下半身を見ている。

俺も一緒になって視線を下にすると、股間部分が不自然なまでに盛り上がっていた。


『うわああ!!違う!これはコウがエロいのがいけなくてッ!』

「はぁ?」

「ど、どうしたんですか二人とも!」

『!!』


何故…何故今こっちに向かってくるんだ朱ちゃん!

恥ずかしくて咄嗟に両手で顔を覆う。


「森崎さんどうしたんですか?怪我とか……って!きゃああ!!」

「少しは隠せ…。」

『ああああああ!!!

朱ちゃんこれは違うんだっ!』

「きゃあああああ!」


隠すところを間違えて、朱ちゃんにフル勃起した股間を見せてしまった。

何とか言い訳しようと彼女に話しかけるも、朱ちゃんは取り乱したまま俺の話を聞こうともしない。

これにコウもまずいと思ったのか、志恩を呼び出して何とかその場は収まった。


そしてその後…色相は奇跡的に濁らなかったものの、彼女は自主的にストレスケアを受けたという。



(おい森崎、常守監視官と何かあったのか?)
(エスパーなら察してくださいよ…)
(??)(プフフッ!)(縢!何を笑っている!)

end
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