雑食短編
□ぶるーはーつはキミのものー前ー/青エク
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「なぁなぁ!しえみ…ヤバかったな!」
『ほんと巨乳好きだな、燐は』
「んなこたねーよ!柚だってそうだろ?
男が巨乳を嫌いな訳ねーもんな!」
『えー俺は貧乳の方がいい』
「マジかよ!変わってんなお前」
しえみさんの話になるといつも赤面してにやけ顔になる燐
誰が見てもしえみさんにほの字だと丸バレである
燐の好みはちっちゃくて巨乳で可愛い子
俺とは全くもってかけ離れている
ちょっとヘコむなぁと思いながら燐の話に適当に相槌をうつ
『結局はしえみさんの事が好きなんだろ?』
「なッ!なんでそうなるんだよ!」
『えーじゃぁ体目当てなの?最低だなー』
「な!かか、体目当てな訳ねーだろッ!」
『フフッ墓穴掘ったね燐』
「んなこと言って柚の好きな人って誰だよ」
『俺の好きな人は
不器用で喧嘩っぱやいけど笑った顔が可愛いんだー』
「お前マジで趣味わりぃな。軽く引いたぞ」
『俺が好きだからいいの!』
「・・・まろ眉か?」
『はぁ?なんで神木さんなんだよ!』
「だって喧嘩っ早いんだろ?」
『塾生だけで考えるなよー
これでも俺10年くらい片思いしてんだから』
「嘘だぁ〜、飽きっぽい柚が10年も片思いとかありえねーよ」
『う、うるさい!燐は1回学校戻るんだろ?俺そのまま寮に帰っとくから』
「なんだよー一緒に行くって言ってたじゃんかよー」
『気が変わったんだよ。じゃーな』
燐を無視して歩みを速めると後ろでぎゃーぎゃー騒いでいた燐の声が段々と聞こえなくなった