幻影
□episode 01
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とある活気のある街の酒場で踊りを舞うものがひとり。酒場のもの達は皆、そのものの踊りに目を奪われていた。
…〜♪
音楽が止むとそのものは踊りを止める。途端に大きな拍手が鳴り響く。
腰まで伸びる長い紺色の髪と左右異なった瞳をした女。その女は一礼すると着替えに行こうと舞台を降りる。
「おい、ネェちゃん」
女に声を掛けたのは海賊の風貌をした男とその部下数名。
『何か?』
女は愛想無く答えた。
男は女の両手を掴むと自分の顔をぐっと近づけて鼻息を荒くした。
「お前、おれの船に乗らないかァ?」
『断る』
「即答だな…。もう少し考えてくれても「しつけェぞ」ぐわぁぁあッ!!」
『…』
女に言い寄っていた男をひっくり返したのは腰に刀を差した緑頭の男。女は表情ひとつ変えずそれを見る。
ゾ「人が酒飲んでる時に、ぎゃあぎゃあうるせェんだよ」
「邪魔するな!!おれは今、惚れた女を口説いてるところなんだ!!」
ゾ「女口説ける顔かよ…」
「何か言ったか貴様ッ!!」
ゾ「別に」
そんなやり取りをする中、海賊の風貌をした男の部下が刀の男を指差して言った。
「船長ッ!!こいつ、海賊狩りのロロノア・ゾロですよ!!懸賞金六千万の…ッ!!」
『(船長…?)』
「よーし、お前ら…」
ゾ「やるか?」
「逃げるぞ!!」
「「おぉーッ!!」」
ゾ「Σ逃げんのかよッ!!」
海賊風貌の男は部下を連れて逃げて行った。その姿を見て呆れ果てるゾロ。女はゾロに声を掛けた。
『ありがとう、助かった』
ゾ「あ?大したことしてねェよ」
『…なら、もうひとつ頼んでもいいか?』
ゾ「?」
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